電子制御システム工学科 学習・教育目標および評価基準
(平成20年度以降入学生用)
下記に電子制御システム工学科の学習・教育目標および評価基準を示す.
- 卒業要件を満たすように単位を取得すること.
- 学習・教育目標の達成度は項目(A)~(G)の各点数および総合点によって評価する.
ただし,各項目のaxの条件は全て満たし,各項目の点数および総合点は基準点以上を取得すること.
科目を修得することによる点数の計算法:(秀・優:5,良:4,可:3)×細目に対する単位数
記
(可の点数×細目に対する単位数)
- 地域社会および世界に貢献できる素養を身につける.
- (A-1)
- 健康管理の必要性を認識できる.
- a1.
- 健康・スポーツ科学の区分から3単位修得する.(3×3 =9)
- b1.
- a1以外の健康・スポーツ科学の科目を加点する.(科目の加点方式は同じ)
- b2.
- 展開科目・健康科学の科目を加点する.
- b3.
- 総合科目「生活と健康」を加点する.
- (A-2)
- 哲学・心理学,芸術学,文学,歴史,地理,法学などの人文社会科学系の科目を学習し,広い視野で物事を考えることができる.
-
- a1.
- 主題別科目人文・社会科学系科目から2科目を修得すること.又は,日本事情科目の「日本の文化」,「日本の社会」の科目を修得すること.(3×4=12)
- b1.
- a1以外の主題別科目人文・社会科学系科目を加点する.
- b2.
- 展開科目(心と倫理,芸術と文学,地域と歴史,法と社会,経済と社会,生涯学習,現代社会と福祉)を加点する.
- b3.
- 総合科目(人文・社会科学系のテーマのもの)を加点する.
- (A-3)
- 異なる文化・思想を理解するために母国語以外の言語を修得する.
- a1.
- 「英語ⅠA,ⅠB,ⅡA,ⅡB」を修得すること.又は,「日本語IA,IB」を修得すること.(3×4×1/10=1.2)
- a2.
- 初修外国語Ⅰ,Ⅱを修得すること.又は,「日本語IIA,IIB」を修得すること.(3×4=12)
- (A-4)
- 企業の技術的活動が環境に及ぼす影響や効果を理解し,自然への環境負荷を軽減するための技術について具体例をもって説明できる.また,環境管理システム(EMS)の活動を通して,環境に配慮した生活規範を身に付ける.
- a1.
- 「技術と社会」を修得すること.(3×2/3=2)
- b1.
- EMS講習の受講を加点する.(1)
- b2.
- 展開科目・環境,生命,テクノロジーの科目を加点する.
- b3.
- 総合科目の自然科学系と生命科学系科目を加点する.
- b4.
- 主題別科目の自然科学系の地質学,工学,生物学,農学の科目を加点する.
- b5.
- 日本事情科目の「日本の自然」の科目を加点する.
- (A-5)
- 技術が社会に及ぼす影響や効果及び技術者倫理に関する種々の事例を学習することによって,技術者としての倫理規範に基づいて行動することの重要性を理解する.また,危機管理,情報セキュリティ,知的所有権など企業活動において技術者が認識すべき諸問題を理解する.
- a1.
- 「技術と社会」を修得すること.(3×4/3=4)
- a2.
- 「卒業研究」の「技術的問題の社会的意義の理解力」が基準点(6割.以下同じ)以上あること.(3×8×1/10=2.4)
- b1.
- 「電子制御システム工学基礎セミナー」を加点する.
(A)の合格レベル:42.6以上
- 数学,物理,情報の基礎を理解し,それを応用できる.
- (B-1)
- 微分・積分や線形代数など工学問題を解くための数学的手法を修得し,それを応用し具体的な問題を解くことができる.
- b1.
- 「基礎微分積分学Ⅰ,Ⅱ」,「基礎線形代数学Ⅰ,Ⅱ」,「システムと制御」を加点する.
- b2.
- 主題別科目・自然科学系の数学の科目を重み0.5で加点する.
- b3.
- 総合科目の数理系科目を重み0.5で加点する.
- (B-2)
- 物理・化学的現象を理解し,現象を数式や図を用いて説明できる
.
- a1.
- 「基礎実験」を修得すること.(3×2/3=2)
- b1.
- 「電気電子工学概論」,「基礎物理学Ⅰ,Ⅱ」,「基礎化学Ⅱ」を加点する.
- b2.
- 主題別科目・自然科学系の物理学および化学の科目を重み0.5で加点する.
- b3.
- 展開科目の物質と数理を重み0.5で加点する.
- (B-3)
- コンピュータの仕組みと基本動作が説明でき,プログラミング言語によって自分が意図する計算や操作を行うプログラムを作成できる.また,報告書などを作成するために,文書作成,表計算,作図などのソフトウェアを利用することができる.
- a1.
- 「情報科学概論」を修得すること.(3×2=6)
- a2.
- 「情報科学演習」を修得すること.(3×1=3)
- b1.
- 「コンピューターセミナー」,「計算機言語」を加点する.
- b2.
- 総合科目の情報系科目を重み0.5で加点する.
(B)の合格レベル:11+(3×14)=53以上
- 技術的内容についてのコミュニケーション能力を身につける.
- (C-1)
- 実験・研究内容をまとめ,正しい日本語で,平易かつ正確に伝える報告書や卒業研究論文を期限内に完成できる.
- (C-2)
- 専門分野の異なる聞き手に対しても,図表や数式を用いた説明資料を作成し,それに基づいて効果的なプレゼンテーションができ,質問に対して的確な応答ができる.また,他者の発表に対して要領を得た質問ができる.
(C-1)と(C-2)を合わせた評価基準
- a1.
- 「基礎実験」を修得すること.(3×2/3=2)
- a2.
- 「電子制御システム工学実験Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ」を修得すること.(それぞれ,3×2/3=2,3×2/3=2,3×1=3,合計7)
- a3.
- 「卒業研究」の「論理的記述能力」が基準点以上あること.(3×8×1/5=4.8)
- a4.
- 「卒業研究」の「発表・討論能力」が基準点以上あること.(3×8×1/5=4.8)
(C-1)と(C-2)の合格レベル:18.6以上
- (C-3)
- 英語によるコミュニケーション基礎能力を持ち,技術者の国際的業務に供するレベルの英語能力を修得するための学習習慣を身に付ける.
- (C-4)
- 英語で書かれた専門分野の科学技術文書の技術的内容を読み取ることができる.
(C-3)と(C-4)を合わせた評価基準
- a1.
- 「英語ⅠA,ⅠB,ⅡA,ⅡB」を修得すること.又は,外国語科目を日本語で読み替える場合では「日本語IA,IB」を修得すること.(3×4×9/10=10.8)
- a2.
- 「外書輪読」を修得する.(3×2=6)
- b1.
- a1以外の英語科目を加点する.
- b2.
- TOEIC400点以上を加点する.(400点以上450点未満:4)(450点以上500点未満:6)(500点以上550点未満:8)(550点以上:10)
- b3.
- 実用英語技能検定2級以上を加点する.(2級:6)(準1級:8)
- b4.
- 工業英語検定3級以上を加点する.(3級:6)(2級:8)
(C-3)と(C-4)の合格レベル:16.8以上
- 機械・電気・電子工学にわたる基礎的知識を身につけそれを応用でき,自ら継続的に学習できる.
- (D-1)
- 機械・電気・電子工学を学ぶための数学手法として,ラプラス変換やフーリエ変換などを理解し,具体的な計算ができる.
- b1.
- 「電子制御数学」を加点する.
- (D-2)
- 工業力学の基礎となる質点,質点系及び剛体の力学に関する基本事項を修得し,それを応用して簡単な工学的力学問題を解くことができる.
- b1.
- 「工業力学Ⅰ」を加点する.
- (D-3)
- 機械構造物の安全な設計に必要な基礎知識を修得するために,簡単な構造物について静的なつり合い式及び運動方程式を誘導し,応力とひずみ及び固有振動数と強制振動の振幅等を計算することができる.
- b1.
- 「工業力学Ⅱ」を加点する.
- (D-4)
- 動的システムの数式表現や解析法の原理を理解し,簡単な制御系の解析および設計ができる.
- b1.
- 「制御工学Ⅰ」を加点する.
- (D-5)
- 測定誤差の処理法および力,電流,電圧,電力などの基本的な物理量の計測原理を理解し,計器の基本的構造を説明できる.
- b1.
- 「計測工学基礎」を加点する.
- (D-6)
- 電圧,電流,電力などの物理量を理解し,電気回路で用いられる定理や法則を理解して,直流回路と基礎的な交流回路の解析を行うことができる.
- b1.
- 「回路理論Ⅰ」を加点する.
- (D-7)
- 複素数を用いた交流回路の解析および微分方程式による基礎的な過渡現象の解析ができる.
- b1.
- 「回路理論Ⅱ」を加点する.
- (D-8)
- 静電場・電位に関する基本法則を理解し,ガウスの定理等を使って電場,電位,電気容量の基本的な計算ができる.
- b1.
- 「電磁気学Ⅰ」を加点する.
- (D-9)
- 静磁場および電磁誘導の基本法則を理解し,インダクタンスを計算できる.
- b1.
- 「電磁気学Ⅱ」を加点する.
- (D-10)
- 量子力学と統計力学の基本的概念を理解し,物質の成り立ちを微視的に説明できる.
- b1.
- 「量子論入門」を加点する.
(D)の合格レベル:48以上
- Aコース(機械関係),Bコース(電気関係),Cコース(電子関係)のいずれかの分野における専門的知識を身につけて,それを応用できる.
- (E-1A)
- (Aコース)機械力学,材料力学,計測・制御,システム工学,設計製図などの専門的知識を持ち,簡単な機械やシステムの設計・制御について具体例を用いて説明できる.
- a1.
- Aコース選択必修科目を9科目修得すること.(3×18=54)
- b1.
- a1以外のAコース選択必修科目を加点する.
- (E-1B)
- (Bコース)電気エネルギー変換,電子回路,電子計測,電磁波工学,情報通信,信号処理などの専門的知識を持ち,簡単な電気・電子システムの原理について具体例を用いて説明できる.
- a1.
- Bコース選択必修科目を9科目修得すること.(3×18=54)
- b1.
- a1以外のBコース選択必修科目を加点する.
- (E-1C)
- (Cコース)物性,デバイス,集積回路などの知識を持ち,電子材料の特性,デバイスの構造や動作原理について説明できる.
- a1.
- Cコース選択必修科目を9科目修得すること.(3×18=54)
- b1.
- a1以外のCコース選択必修科目を加点する.
- (E-2)
- 選択コース以外の関連分野の一部を学習し,専門的知識と応用力の幅を広げる.
- b1.
- 他コース選択必修科目を加点する.
- b2.
- 総合理工学部(他学科)で開講する専門教育科目を加点する.
(E)の合格レベル:54以上
- 基礎的な実験技術を持ち,目的に応じて実験方法を工夫できる.
- (F-1)
- 計測器や実験装置を正しく操作し,実験書に従って要領よく実験を遂行できる.
- (F-2)
- 実験を通して,関連する物理原理を深く理解する.また,実験データを単位系,有効数字を考慮して図や表に整理でき,実験結果に対して適切な考察ができる.
(F-1)と(F-2)を合わせた評価基準
- a1.
- 「基礎実験」を修得すること.(3×2/3=2)
- a2.
- 「電子制御システム工学実験Ⅰ,Ⅱ」を修得すること.(それぞれ,3×4/3=4,3×4/3=4,合計8)
- (F-3)
- グループによる創成型実験を通して,目的に応じた実験内容を組み立て,それを遂行し,まとめることができる.
- a1.
- 「電子制御システム工学実験Ⅲ」を修得すること.(3×1=3)
(F)の合格レベル:13以上
- 目標(A)から(F)の達成過程で得られた知識と能力を統合し,現実的な課題を解決できる工学的デザイン能力を身につける.
- (G-1)
- 研究テーマの分野において,工学的解決法を必要とする実際上の問題点と課題を理解できる.
- a1.
- 「卒業研究」の「課題設定能力」が基準点以上あること.(3×8×1/10=2.4)
- (G-2)
- 文献調査により研究の背景と自分の研究の位置づけを理解し整理できる.
- a1.
- 「卒業研究」の「文献調査能力」が基準点以上あること.(3×8×1/10=2.4)
- (G-3)
- 研究テーマに対して,解法を設計・計画した上で,必要な理論的検討,実験的検討を実施し,研究を自主的かつ継続的に遂行でき,期限内に自分なりの解を求めることができる.
- a1.
- 「卒業研究」の「研究推進・課題解決能力」が基準点以上あること.(3×8×3/10=7.2)
(G)の合格レベル:12以上
総合点 42.6+53+18.6+16.8+48+54+13+12=258以上
工学的デザイン能力とは,JABEEでいう「エンジニアリング・デザイン能力」*です。
本学科では,特に,(G-1),(G-2),(G-3) ,(F-3)で評価しています。
*) 「実際のデザインにおいては,構想力/課題設定力/種々の学問,技術の総合応用能力/創造力/公衆の健康・安全,文化,経済,環境,倫理等の
観点から問題点を認識する能力,およびこれらの問題点等から生じる制約条件下で解を見出す能力/構想したものを図,文章,式,プログラム等で表現
する能力/コミュニケーション能力/チームワーク力/継続的に計画し実施する能力などを総合的に発揮することが要求され,そのようなデザインの能力は
内容・程度の範囲が広く,デザイン教育は技術者教育を特徴づける最も重要な要素であり,対象とする課題はハードウエアでもソフトウエア(システムを含む)
でも構わない。」(JABEEホームページから)